Date:2013.08.11
サロン
「緩和ケアについて~釧路労災病院の取り組み~釧路労災病院 副院長(外科)
緩 和ケアチーム長 小笠原 和宏さん」の講話を聞いて
今回のサロンは私にとって、日々の関わりの振り返りの機会となった。
「緩和ケア」の 研修やそれにまつわる色々な話を聞くたびに心に何かが響いてくるような感覚を覚えるのは私だけではないと思う。
キュウーブラーロスは「痛みをとることは人間として自然な感情を回復 させることになる。
だから痛みが消えることは恐怖や不安を希望に変える。」と語る。
私たちが専門職として「全人的苦痛を理解すること」は主観的な訴えに対して客観的指標を用いて、より効果的な痛みの緩和をはかることの重要性を再確認した。
緩和ケア=終末期というイメージの方は、医療者を含めていまだ多いと思う。
緩和チームのある医療機関であっても、そう違いはない。
がん・非がん問わず生命を脅かす疾患にであった方に緩和の理念を持って誰もが関われることは理想的かつ必要なことと日々思っている。
関わる方の緩和の知識は様々と思うが、その方の心の痛みに寄り添うことは決して医療にくわしいことが必須ではなく、寄り添える心を持っているかどうかということではないだろうか。
出逢った日から会話を重ね、信頼関係を築くことができて、結果寄り添えたのではないだろうかと考える。
小笠原先生の講話の中で、先生自身の緩和への思いを聞くことができた。先生は外科医として「がんを完治させること」が最高の緩和ケアと考えているとのことだった。
がんに罹患する方やその家族は、「どうして?」「なぜ?」と自問自答を繰り返し、がんと共に生きることを受け入れるまでに苦悩し続ける。
先生自身もがんを完治できずに共に生きることを余儀なくされた患者やその家族と様々な苦悩を繰り返しているのではないかと感じた。
医療として「緩和ケア」を考えると、「治療」となってしまうが、それぞれの役割で出来得るケアが「緩和」につながれば、最高のチームでその対象者をサポートできるのではないかと考える。
(参加者の声より)
※次回のサロン
医療レクチャーシリーズ「肺炎って、予防できる?(仮)」
講師 市立呼吸器内科 小橋医師
9月26日 18:30~まなぼっと602号室