Date:2026.05.12

【北海道・ヤングケアラー調査】「子どもの今」を守るために、私たちができること

はじめに:なぜ今、北海道でこの調査が必要だったのか

令和3年9月に発表された北海道のヤングケアラー実態調査(「実態調査結果(ヤングケアラー).pdf」ほか)。道内全域の中高生約5万人を対象としたこの大規模調査は、これまで「家庭の問題」として伏せられてきた子どもたちの苦境を白日の下に晒しました
本記事では、3回にわたるnote連載の内容を総括し、北海道全体で共有すべき課題を提示します。

1. 浮き彫りになった「ケアの日常化」

調査結果は、ヤングケアラーが決して「特別なケース」ではないことを示しています。中2の7.2%が当事者であり、その多くがきょうだい、祖父母、親のケアを「ほぼ毎日」担っています
彼らは勉強や睡眠、友人との時間を削りながら、大人が担うべき役割を肩代わりしています

2. 学校と福祉をつなぐ「機能不全」の解消

自由記載 (ssw).pdf」や「自由記載 (学校用).pdf」からは、学校現場がSOSを受け止めきれずに苦悩する姿が見えてきました。学校が実態を把握していても、福祉機関へのつなぎが円滑にいかないケースや、家庭への介入を躊躇する「見えない壁」が存在します
SSW(スクールソーシャルワーカー)の配置充実と、教育・福祉・保健がシームレスに動く「北海道型」のネットワーク構築が不可欠です

3. 子どもたちの「声」を施策の真ん中に

アンケートの自由記述欄(「自由記載 (ヤングケアラー その他).pdf」など)に寄せられた声は、多岐にわたります。

  • 経済的・物理的負担の軽減: 給付金や家事代行、医療・福祉サービスの拡充

  • 孤独の解消: 同じ境遇の仲間とつながるコミュニティやSNS相談窓口

  • 理解と受容: 社会全体の認知度向上と、「ヤングケアラー=家族思い」という称賛の裏で彼らが失っている権利への配慮

結びに:誰一人、孤独にさせない地域社会へ

ヤングケアラー問題は、単なる「お手伝い」の延長ではありません。子どもの育ち、教育、そして将来の選択肢を奪いかねない社会問題です。この「実態調査結果(ヤングケアラー).pdf」が示した事実を直視し、行政、学校、そして地域住民がそれぞれの立場で「彼らの存在に気づき、声をかけること」から始める必要があります。当事者の子どもたちが未来への希望を持てるよう、今こそ具体的な行動へと移していく段階に来ています。