Date:2026.01.14

今は2026年。地域包括ケアシステムは「完成」したのか?

今は2027年です。 かつてテレビや新聞で大きく取り上げられていた「2025年問題」から、すでに2年が経過しました。

団塊の世代が75歳以上となるこの年を目標に、国は「地域包括ケアシステム」の構築を進めてきました。 住み慣れた地域で、最期まで自分らしく暮らせる社会。 そんな理想は、果たして実現したのでしょうか。

私たちの目の前にある現実は、少し違います。 介護や医療の人手不足はより深刻になり、物価の高騰が日々の暮らしを直撃しています。 「困ったら誰かがなんとかしてくれる」という魔法のようなシステムは、残念ながら完成しませんでした。

しかし、だからといって、このシステムが失敗だったわけではありません。 2027年の今、私たちはこの言葉の意味を、より現実的な「生活の知恵」として捉え直す必要があります。

「サービス」から「道具」へ

地域包括ケアシステムは、行政が一方的に用意する「サービス」ではありません。 私たちがこの厳しい時代を生き抜くために使いこなすべき、5つの「道具」です。

  1. 住まい 施設に入ることだけがゴールではありません。自宅の手すり一つ、部屋の片付け一つが、暮らしを守る城壁になります。

  2. 医療 大病院だけが医療ではありません。自分の体調をよく知る近所のかかりつけ医こそが、いざという時の命綱です。

  3. 介護 プロの手を借りることは、家族を守るための賢い選択です。使える制度は遠慮なく使い、負担を分散させましょう。

  4. 予防 健康でいることは、最大の節約です。地域の体操教室やサロンは、体力を保ち、医療費を抑えるための重要な拠点です。

  5. 生活支援 ここが最も重要です。お金を介さない、ご近所同士の助け合い。「ゴミ出しのついで」「買い物のついで」という小さな支え合いが、制度の隙間を埋める最強のセーフティネットになります。

「お客様」を卒業する時代

待っていれば救いの手が差し伸べられる時代は終わりました。 これからは、地域にあるこれらの資源(道具)を、自分たちで総動員して暮らしを組み立てる必要があります。

「プロが足りないなら、近所の人と協力しよう」 「お金がないなら、予防に力を入れよう」

そのように、あるものを組み合わせて使い倒す「したたかさ」こそが、これからの地域包括ケアの本質です。

CCLの役割

私たちNPO法人CCLは、国全体の制度を変えることはできません。 しかし、ここ釧路・道東エリアにおいて、皆さんが「道具」を使いこなすためのヒントを提供することはできます。

「この制度と、あの人を組み合わせればうまくいく」 「隣の町ではこんな工夫をしている」

そんな現場の情報を発信し、つなぎ合わせる「作戦パートナー」として、私たちは地域に在り続けます。

完璧なシステムは完成しませんでしたが、私たちの暮らしは今日も続いています。 知恵とつながりを武器に、この時代を共に生き抜いていきましょう。