Date:2025.10.31

【永久保存版】釧路の病院退院から在宅医療へ|専門家と歩む5ステップ完全ガイド

ご家族の退院が決まった皆様へ。まずはご安堵のことと、心よりお察し申し上げます。しかし同時に、これから始まるご自宅での療養生活に向けて、多くの期待と、それと同じくらいの不安が胸に去来しているのではないでしょうか。

「何から始めればいいのだろう」「誰に相談すれば…」「私たち家族だけで、本当に支えられるのだろうか」

そのお気持ち、ごく自然なことです。しかし、どうかご安心ください。退院から在宅医療への道のりは、決してご家族だけで歩むものではありません。 そこには、高い倫理観と専門性を持つプロフェッショナルたちが、常に伴走者として存在します。

この記事では、釧路市で安心して在宅医療を始めるための具体的な5つのステップを、皆様を支える専門家がどのような「価値」と「倫理」に基づいて行動しているのか、という視点を交えながら、詳しく解説していきます。

 

ステップ1:最初の相談相手、病院の「医療ソーシャルワーカー」と話す

退院準備の第一歩は、入院されている病院の「医療ソーシャルワーカー(MSW)」に繋がることです。医師や看護師に「退院のことで相談したい」と伝えれば、必ず会うことができます。

彼らは、単なる手続きの案内役ではありません。なぜ、私たちは医療ソーシャルワーカーを心から信頼できるのでしょうか。 それは、彼らが「ソーシャルワーカーの倫理綱領」という、厳格な行動規範に基づいて行動しているからです。

  • あなたの利益が最優先です:ソーシャルワーカーは、業務を行う際にクライエント(相談者)の利益を最優先に考えます 。組織の都合や個人の利益のためではなく、常にあなたの側に立って物事を考えてくれます。
  • あなたを一人の人間として尊重します:出自、年齢、心身の状況などにかかわらず、かけがえのない存在として尊重します 。どのような状況であっても、尊厳が守られます。
  • 分かりやすく説明する責任があります:必要な情報を、分かりやすい表現を用いて提供する「説明責任」を負っています 。専門用語を並べるのではなく、あなたが納得できるまで丁寧に説明してくれます。
  • あなたの決定を尊重します:クライエントの自己決定を尊重し、その権利を活用できるよう支援します 。最終的にどうするかを決めるのは、あなた自身です。

    この倫理綱領に裏打ちされた専門家が、退院準備の「最初の案内人」となります。

 

ステップ2:在宅サービスの「基本パスポート」、「介護保険」を申請する

ご自宅で専門職の支援を受けるために不可欠な、「基本パスポート」の役割を果たすのが「介護保険」です。この制度を利用するには、お住まいの市町村から「要介護認定」を受ける必要があります。この手続きについても、医療ソーシャルワーカーが親身にサポートしてくれます。

 

ステップ3:暮らしの「設計士」、「ケアマネジャー」に相談する

要介護認定の結果が出たら、次に在宅療養全体の計画を立てる暮らしの「設計士」、すなわち「ケアマネジャー(介護支援専門員)」を探します。

ケアマネジャーもまた、その専門職倫理綱領において「公正中立な立場」「利用者本位」を掲げています。これは、特定のサービスに偏ることなく、数ある選択肢の中から、あなたにとって本当に必要なサービスを一緒に考え、計画を立ててくれることを意味します。彼らは、あなたの「自己決定」を何よりも尊重し 、自立した生活を支援するプロフェッショナルです。

 

 

ステップ4:ご自宅の療養環境を整える

ケアマネジャーという暮らしの設計士と共に、ご本人がご自宅で安全・快適に過ごせるよう、環境を整えます。介護用ベッドのレンタルや手すりの設置など、ケアプランに基づいて進めることで、介護保険を利用し、費用の負担を抑えることができます。

 

ステップ5:在宅療養を支える「専門家チーム」を迎える

ケアプランが完成すれば、いよいよ在宅療養を支える「専門家チーム」が結成されます。

  • 訪問診療医
  • 訪問看護師
  • 訪問介護のヘルパー
  • 薬剤師やリハビリ専門職

このチーム全体が、ソーシャルワーカーの倫理綱領にも通じる「プライバシーの尊重と秘密の保持」を徹底します。あなたの個人情報は厳重に守られ、安心して支援を受けることができます。この専門家チームが、ご自宅での療養生活を多方面から支えます。

 

 

釧路市内の主要な病院と退院相談の窓口

退院準備の第一歩は、入院されている病院へのご相談から始まります。下記の病院には、本記事でご紹介したような高い倫理観を持つ「医療ソーシャルワーカー」が必ず在籍しています。まずは病院の代表電話にご連絡いただき、「退院の相談で、医療ソーシャルワーカーの方をお願いします」とお伝えください。

 

おわりに:専門家は、あなたの「尊厳」を守るパートナーです

退院から在宅医療への移行は、多くの手続きや決断が伴います。しかし、その一つひとつのステップには、必ず専門家が寄り添います。

彼らは単にサービスを調整するだけではありません。ソーシャルワーカーの倫理綱領の前文にある通り、「すべての人が人間としての尊厳を有し、価値ある存在であり、平等である」という深い認識に基づき、あなたとご家族を支えるパートナーです 

病院で、地域で、そしてご自宅で、これらの専門家たちと確かな信頼関係を築きながら、安心して次の一歩を踏み出してください。その過程で何かお困りの際は、私たちNPO法人CCLが、いつでも中立的な立場から皆様をサポートいたします。