Date:2025.09.29

【私たちの医療が変わる?】未来の医療のカタチがわかる!国の最新会議をわかりやすくレポート

公開日:2025年7月10日

こんにちは!地域の医療と介護の連携をサポートするNPO法人CCLです。

「最近、なんだか体調が優れないな…」「家族が入院することになったけど、退院後はどうなるんだろう?」

私たちの暮らしに医療は欠かせないものですが、その仕組みは少し複雑で、将来どうなっていくのか、不安に感じることもありますよね。

実は先日、これからの日本の医療の方向性を決める、とても重要な国の会議「社会保障審議会 医療部会」が開かれました。この会議では、高齢化や人口減少が進む2040年頃を見据えて、私たちの医療がどう変わっていくのか、活発な議論が交わされました。

そこで今回は、この会議で話し合われた内容から、特に皆さんに知っていただきたい大切なポイントを、私たちCCLがピックアップして、どこよりも分かりやすく解説します!

1. ご近所の病院の役割が変わる?新しい「地域医療構想」

国が今一番力を入れているのが、2040年を見据えた新しい医療の仕組み「地域医療構想(ちいきいりょうこうそう)」づくりです。これは、人口が減っていく地域でも、誰もが必要な医療を受け続けられるようにするための、いわば「未来の医療の設計図」です。

ポイント① 病院の「得意技」がハッキリします!

これからは、地域の病院がそれぞれの役割をより明確にして、連携を深めていくことになります。

  • 急性期拠点病院:大きな手術や、一刻を争う救急医療など、高度で専門的な治療を担う「頼れるエース」のような病院です。
  • 高齢者救急・地域急性期を担う病院:高齢の方に多い肺炎や骨折などの治療や、急な体調悪化の際の入院を受け入れる、「地域のかかりつけ病院」のような存在です。早期の自宅復帰に向けたリハビリにも力を入れます。
  • 在宅医療を支える病院:地域の診療所や訪問看護ステーションとチームを組み、自宅で療養する患者さんが24時間安心して過ごせるようサポートします。

このように病院の役割分担を進めることで、いざという時にスムーズに適切な医療を受けられる体制を目指します。

ポイント② 「在宅医療」と「介護」のチームワークがもっと強力に!

これからの医療の主役は、病院だけではありません。むしろ、住み慣れた自宅や地域で安心して療養を続けられるように、かかりつけ医、訪問看護師、薬剤師、ケアマネージャーといった多職種の専門家が連携する「チーム医療」がますます重要になります。入院から退院、そして在宅での生活まで、切れ目のないサポートを受けられるまちづくりが進められます。

ポイント③ 医師が少ない地域への応援を強化します!

「近くにお医者さんがいなくて不安…」そんな地域の課題を解決するため、国や都道府県は本腰を入れて対策を進めます。

  • 経済的な支援:医師が少ない地域で働くお医者さんへの手当を増やしたり、新しく診療所を開く際のサポートをしたりします。
  • 大学病院との連携:都道府県と大学病院が協力して、地域に必要な医師を計画的に派遣する仕組みを強化します。

2. がんの早期発見に役立つ「PET検査」がもっと身近に!

PET検査は、特殊な薬を使ってがん細胞などを光らせることで、がんの早期発見や転移の状況などを詳しく調べることができる先進的な検査です。

これまでは、この特別な薬を作るための大がかりな設備がある一部の病院でしか検査を受けられませんでした。

今回の会議の報告により、国のルールが見直され、**設備のある病院で作った薬を、設備の無い近くの病院に運んで使えるようになります。**もちろん、薬の品質や運搬の安全は厳しく管理されます。この取り組みによって、これまでPET検査を受けにくかった地域でも、先進的ながん検査が受けやすくなることが期待されます。

3. 私たちの暮らしに関わる国の新しい方針「骨太の方針2025」

政府が毎年発表する「骨太の方針」は、国の予算や制度の方向性を示す重要なものです。今年の「骨太の方針2025」にも、私たちの医療と暮らしに関わるポイントがたくさんありました。

医療・介護の現場で働く人たちの賃金アップへ

物価高が続くなか、私たちの健康と生活を最前線で支える医療・介護スタッフの待遇を改善し、人材を確保するため、国として賃上げを確実に進めていく方針が示されました。これは、医療・介護サービスの質を守るための大切な一歩です。

医療のデジタル化(DX)が暮らしを便利に

より便利で質の高い医療を目指し、デジタル技術の活用がさらに進みます。

  • マイナ保険証:マイナンバーカードと健康保険証の一体化をさらに進め、2025年12月からはマイナ保険証を基本とする仕組みに変わります。
  • 電子カルテ情報の共有:全国の医療機関であなたの検査結果や処方された薬の情報を共有できるようになり、旅行先や引っ越し先でも、より安全でスムーズな医療を受けられるようになります。
  • オンライン診療の推進:自宅から医師の診察を受けられるオンライン診療を、もっと利用しやすくするためのルール作りが進められます。

みんなの保険制度を守るための見直しも

私たちがいつでも安心して医療を受けられる「国民皆保険制度」を未来につなぐため、いくつかの見直しも検討されています。

  • 市販薬と似た薬の保険適用:ドラッグストアで買える薬と成分や効果が似ている医療用の薬について、保険の対象とするかどうか、慎重な検討が進められます。
  • 病床数の見直し:人口減少なども踏まえ、本当に必要なベッドの数を地域ごとに見極め、病院の役割分担や連携をさらに進めていきます。

まとめ:これからの医療と、私たちにできること

今回の国の会議からは、これからの日本の医療が「大きな病院にすべてを頼る」時代から、「地域全体で、一人ひとりを支える」時代へと大きく変わろうとしていることが見えてきました。

このような変化のなかで、私たち市民一人ひとりが、

  • 信頼できる「かかりつけ医」を見つけること
  • 日頃から自分の健康状態に関心を持ち、家族と話し合っておくこと

が、これまで以上に大切になってきます。

私たちNPO法人CCLは、これからも地域の医療と介護がスムーズに連携し、誰もが安心して暮らせるまちづくりのお手伝いをしていきます。今後も、国の新しい動きをしっかりキャッチして、皆さんに分かりやすくお伝えしていきますので、ぜひご注目ください!