Date:2025.05.20
より良い医療のために、みんなで力を合わせる!「多職種連携」って何だろう?
皆さん、こんにちは!特定非営利活動法人CCLです。
私たちは、地域で暮らす皆さんが安心して、そして自分らしく毎日を送れるように、様々な活動を行っています。今回は、最近よく耳にするけれど、ちょっと難しそうな言葉「多職種連携(たしょくしゅれんけい)」について、分かりやすく解説したいと思います。
ドラマみたい? 医療の現場で起こっているチームワーク
病院やクリニックで、お医者さんや看護師さんだけでなく、薬剤師さん、リハビリの先生、ケアマネージャーさんなど、色々な専門職の方々が働いているのを見たことがあると思います。
この色々な専門分野の人たちが、それぞれの知識やスキルを出し合って、患者さん一人ひとりのために協力することを「多職種連携」と言います。
まるで、スポーツチームがそれぞれの得意なプレーで勝利を目指すように、医療の現場でも、みんなで力を合わせて、より良い医療やケアを目指しているんです。
世界保健機関(WHO)も、この「多職種連携」を、患者さんとその家族、そして地域社会が一緒に、最高の医療を受けられるための大切な方法だと考えています。
「チーム医療」とどう違うの?
「チーム医療」という言葉もよく聞きますよね。
これは主に、病院の中で、医師や看護師さんを中心に色々な専門家が協力して患者さんの治療を進めることを指すことが多いです。
一方、「多職種連携」は、病院の中だけでなく、退院後の生活を支える地域のケアマネージャーさんや介護士さん、薬局の薬剤師さん、訪問看護師さんなど、もっと広い範囲の人たちが連携することを意味することがあります。
例えば、退院する患者さんが、自宅で安心して生活できるように、病院のスタッフだけでなく、地域の専門家も一緒に話し合って準備をする、これが「多職種連携」の良い例です。
なぜ「多職種連携」が大切なの?
高齢化が進む日本では、色々な病気や問題を抱える方が増えています。
そんな中で、一人の専門家だけで全てに対応するのは難しくなってきています。
「多職種連携」には、たくさんのメリットがあるんです。
より良い治療とケア: 色々な専門家の視点が入ることで、患者さん一人ひとりに合った、より質の高い、きめ細かい医療やケアを提供できるようになります。例えば、栄養士さんが食事の面からサポートしたり、リハビリの先生が日常生活を取り戻すお手伝いをしたり。
安全性の向上: 複数の目で患者さんの状態や治療方法をチェックすることで、ミスを防ぎ、より安全な医療を提供できます。
患者さんの満足度アップ: 患者さんの様々な悩みや不安に、それぞれの専門家が対応することで、安心して治療やケアを受けられるようになり、満足度が高まります。
医療に関わる人の負担軽減: みんなで協力することで、特定の誰かに負担が偏るのを防ぎ、医療に関わる人たちがより働きやすい環境を作ることができます。
でも、色々な壁もあるんです…
もちろん、「多職種連携」が良いことばかりではありません。色々な専門家が集まるからこそ、意見が違ったり、連絡がうまくいかなかったりすることもあります。
- コミュニケーション不足 みんな忙しいので、ゆっくり話し合う時間が取れないことがあります。
- 役割の曖昧さ 誰が何をするのか、役割分担がはっきりしないことがあります。
- 情報共有の難しさ 病院や施設によって、使っているシステムが違うため、スムーズに情報が伝わらないことがあります。
- 制度や組織の壁 医療や介護の制度が、それぞれの分野で縦割りになっているため、連携しにくいことがあります。
- 専門職の意識の壁 それぞれの専門分野の考え方や習慣が違うため、協力しにくいと感じることがあります。
日本ではどんな取り組みがされているの?
日本でも、国を挙げて「多職種連携」を進めるための様々な取り組みが行われています。
例えば、
- 退院支援の強化: 患者さんが安心して自宅や施設に戻れるように、病院と地域の専門家が協力して準備をします。
- 在宅医療の推進: 自宅で療養する患者さんのために、医師や看護師さん、薬剤師さんなどが連携してサポートします。
- 地域包括ケアシステム: 高齢者の方が住み慣れた地域で安心して暮らせるように、医療、介護、予防、住まい、生活支援といった様々なサービスを、地域の関係機関が連携して提供する体制づくりが進められています。
- 連携を促すための制度: 医療や介護のサービスに対して、連携を積極的に行っている場合に加算(追加の評価)がつくような制度も導入されています。
未来に向けて~より良い連携のために
これから、さらに高齢化が進む日本では、「多職種連携」はますます重要になってきます。より良い連携を実現するために、
- 専門職がお互いを理解し、尊重する: 学生の頃から、様々な専門分野の人たちが一緒に学ぶ機会を増やし、お互いの役割や考え方を理解することが大切です。
- 情報共有をもっとスムーズに: IT技術などを活用して、関係者間で患者さんの情報を簡単に共有できる仕組みを作っていく必要があります。
- 組織全体で連携をサポートする: 病院や施設だけでなく、地域全体で連携を推進する体制を整えることが重要です。
- 国としての後押し: 連携がよりスムーズに進むように、制度や仕組みを整えていく必要があります。
まとめ
「多職種連携」は、患者さんにとって、より質の高い、安心できる医療やケアを受けるために、とても大切な取り組みです。私たちCCLも、地域の皆さんがより良い医療や介護を受けられるように、様々な関係機関と連携しながら活動していきたいと考えています。
これからも、皆さんと一緒に、より良い地域社会を作っていくために、様々な情報発信をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。