Date:2025.04.22
「今」を大切に、そして「未来」も自分らしく「人生の最終章を穏やかに迎えるために」
人生は、日々の積み重ねです。
今この瞬間をどう生きるか、自分らしく輝くことが、何よりも大切です。
私たち特定非営利活動法人CCLは、「その人らしさ」を尊重し、誰もが安心して自分らしく生きられる社会を目指して活動しています。
人生の最終章である「看取り」は、誰にとっても避けて通れない、大切な人生のゴールです。
しかし、そのゴールを見据えることは、決して今をないがしろにすることではありません。
むしろ、今をより深く、自分らしく生きるために、未来について考える時間を持つことは、とても意義深いことだと私たちは考えています。
本記事では、人生の最終段階である看取りについて、私たちCCLの視点から解説します。
今を大切に生きる視点と、未来の自分を想うアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の重要性を合わせながら、尊厳ある穏やかな人生のゴールを迎えるためのヒントを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
1. 人生のゴールを見据えながら、「今」を大切にするということ
「看取り」とは、「人生のゴールが近づいている人に対し、最期の時まで身体的・精神的な支援を行い、その人らしい生活を尊重しながら寄り添うこと」と私たちは考えています。
しかし、この「人生のゴール」という言葉は、決して悲しい終着点を意味するものではありません。
それは、人生という旅の最終地点であり、その人ならではの豊かな物語の完結です。
大切なのは、そのゴールを見据えながらも、日々の生活を丁寧に、自分らしく生きることです。
CCLは、その人らしい生き方を支えることを使命としています。
趣味を楽しむ、大切な人と過ごす、ささやかな日常の喜びを感じる。
そんな「今」の積み重ねこそが、充実した人生を形作ります。
そして、時折、立ち止まって自分の将来について考える時間を持つことも大切です。
それが、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)、いわゆる「人生会議」です。
元気なうちに、自分の価値観や希望、もしもの時のための医療やケアについて考え、家族や信頼できる人と話し合っておくことは、未来の自分自身への大切な贈り物となります。
2. 医療の側面から支える、人生の最終段階 苦痛の緩和と「今」を生きるためのサポート
人生のゴールを迎えるにあたり、医療的なケアの最優先事項は、痛みや苦しさを和らげ、できる限り快適に過ごせるようにサポートすることです 。
これは、単に苦痛を取り除くことだけではなく、「今」を少しでも楽に、穏やかに過ごせるようにするためのサポートでもあります。
症状に合わせて適切に薬を使用するなど、医療チームが中心となって対応します。
また、日常生活を支えるための丁寧な身体的ケアも欠かせません。
健康状態の確認、清潔の保持、食事や水分補給の工夫、口腔ケア、そして床ずれの予防など、細やかなケアがご本人の尊厳と快適さを守り、「今」を大切に生きるための基盤となります。
これらのケアは、医師や看護師だけでなく、薬剤師や理学療法士など、様々な専門職が連携して行います。
3. 心の側面から寄り添う、人生の最終章:「自分らしさ」を支える
人生のゴールである看取りでは、身体的なケアと同じように、心のケアも非常に重要です。
不安や孤独感を和らげ、精神的な安定を支えることで、安心して最期の時間を過ごせるように寄り添います 。
これは、ご本人が「今」この瞬間を穏やかに過ごし、これまでの人生を振り返り、大切な人との繋がりを感じながら、自分らしくいられるようにするためのサポートです。
ご本人が大切にしてきた習慣や楽しみを可能な限り続けられるようサポートしたり、心地よい環境を整えたりすることも、心の支えとなります。
日々の穏やかな会話や、ただそばにいるという存在そのものが、大きな安心感につながることもあります。
言葉でのコミュニケーションが難しい場合には、非言語的な方法で気持ちを伝え合うことも大切です。
CCLは、一人ひとりの「自分らしさ」を尊重し、その人らしい生き方を最期まで支えることを大切にしています。
また、看取りはご本人だけでなく、ご家族へのサポートも重要です。
病状の説明や介護方法の指導、そして精神的な不安に寄り添うなど、ご家族が安心してご本人を支えられるよう、様々な支援が行われます。
悲しみは、大切な人を失った後に残る自然な感情です。
看取りの支援は、ご本人が亡くなった後も、ご家族の悲しみに寄り添い、必要に応じて専門的なサポートを紹介する「グリーフケア」へと続きます。
4. 未来を想う時間:アドバンス・ケア・プランニング(ACP)
人生のゴールを見据えることは、決して遠い未来の話ではありません。
健康な時から、自分の価値観や人生観、そして将来の医療やケアについて考えることは、今をより良く生きるためにも繋がります。
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)は、そうした考える時間を持つための大切な機会です。
自分の希望を明確にし、家族や大切な人と共有することで、もしもの時に自分の意思が尊重される可能性が高まります。
CCLは、ACPの普及啓発にも力を入れています。
自分らしい最期を迎えるために、そして今をより主体的に生きるために、ACPについて考えてみませんか?
5. チームで支える、人生の最終段階:それぞれの専門性を活かして
人生のゴールを迎える看取りは、医師、看護師、介護士、ソーシャルワーカー、ケアマネージャーなど、多くの専門職が連携して行うチームプレーです。
それぞれの専門性を活かしながら、ご本人とご家族の意向を尊重し、「その人らしい穏やかな人生のゴール」という共通の目標に向かって協力します。
医療的なケアと心のケアは密接に結びついており、両面からのサポートがあってこそ、質の高い看取りが実現します。
6. 人生のゴールをどこで迎えるか:ご本人とご家族の希望を尊重して
人生の最終段階である看取りケアは、病院、介護施設、ホスピス型住宅、そしてご自宅など、様々な場所で行うことができます 。
それぞれの場所にはメリットとデメリットがあり、ご本人の状態や希望、ご家族の状況などを総合的に考慮して、最適な場所を選ぶことが大切です。
近年では、24時間体制で看護・介護ケアが提供され、緩和ケアにも対応できるホスピス型住宅も選択肢の一つとなっています。
近年では、24時間体制で看護・介護ケアが提供され、緩和ケアにも対応できるホスピス型住宅も選択肢の一つとなっています。
人生のゴールを迎える場所として、病院は高度な医療介入が可能で医師や看護師が常駐しているという特徴があります。一方で、生活感は薄れがちで、面会時間に制限がある場合もあります。
介護施設やホスピス型住宅は、生活の場に近い環境で比較的自由度が高く、24時間体制の看護・介護サポートや緩和ケアに対応している施設もあります。介護・看護スタッフが常駐し、家族の関与も可能です。いずれにしても一定の費用が必要になります。
自宅での看取りは、住み慣れた環境でプライバシーが保たれるという大きなメリットがありますが、医療サポートは訪問診療や訪問看護が中心となり、家族の理解と協力も大切になります。
それぞれの場所には異なる特徴があり、急変時の対応力、生活環境、費用、そして何よりもご本人の希望やご家族の介護力などを考慮して、慎重に検討することが重要です。
7. 今を生き、未来を想い、自分らしい人生のゴールへ
「看取り」は、人生の最終章を迎える方々が、尊厳を保ち、可能な限り穏やかに人生のゴールを迎えられるようにサポートする、温かいケアのあり方です。
医療的な知識や技術はもちろん、心のケア、そしてご本人とご家族の意思を尊重することが、看取りの根幹をなしています。
私たちはCCLとして、看取りは誰もが迎える大切な人生のゴールであり、その過程においても、今を大切に、自分らしく生きることを支えたいと考えています。
人生は、毎日の生活の連続です。その一瞬一瞬を大切に生きること、そして、未来の自分自身のために、時には立ち止まって考えること。
CCLは、そのどちらも応援します。
もし、看取りやアドバンス・ケア・プランニングについてもっと詳しく知りたい、あるいは私たちCCLの活動にご関心をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。